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          (2005年10月14日更新)   
今井岸夫
「アイデア発想はむずかしい」

 たしかにそうかも知れません。私たちは、生まれてから幼児、学生、社会人と年齢を重ねてきたわけですが、この間「先生」からできあがった知識をたくさん教わってはきましたが、考えたりアイデアを発想することについては教えてもらわなかったような気がします。

 過去のいわゆる「キャッチアップ」の時代では、多くの知識を身につけることで十分通用したのですが、数年前からはなにか勝手が違ってきたように思われます。人と同じことを早くうまくやるだけでは尊敬もされないし、ビジネス社会では生き残ることさえ難しくなってきました。成熟社会になって、まさに「知識」を求められる時代から「知恵」が必要な時代に変わってきたということでしょう。これからはどんな小さなことでも知恵を出して人と違うことをやらなければ生きてはいけない時代になってしまったのです。

 アイデア発想といっても、何もないところからある時突然ひらめくというようなことはよほどの天才でもない限りムリです。でもアイデア発想の構造をしっかりと理解し、簡単な手法を実際に使って自分を訓練すれば、私たち普通の人間にでもそんなにむずかしいものではないことが分かると思います。そう誰でも今日から「アイデアマン」になることができるのです。

 でも、という人のために2〜3のアイデア発想法をご紹介します。
  1. アイデア発想に必要な5つのこと
@あるべき姿を認識すること:現状に満足しない問題意識を常に持っていることです。

A知識:発想の原点は連想です。幅の広い連想をするためには、知識の幅が必要です。

Bオリジナリティ:効果の高いアイデアには意外性や独創性、いわゆるとっぴな考え方がたいせつです。

Cフレキシビリティ:1つのことにとらわれず、常識に固執せず、現在の状況から脱出することを考えます。

Dやる気:しつこく考え、出てきたアイデアを書き留めて数多くためることがたいせつです。
2. アイデア発想の基盤は連想
@類似連想:テーマに似た過去の経験や状況を思い出して連想することです。
たとえば、自転車から1輪車や3輪車、自動車などを連想します。

A近接連想:テーマに対して時間的、空間的なつながりを連想することです。
たとえば、コーヒーからマグカップやケーキ、食後などを連想します。
B反対連想:テーマの反対のものを連想することです。

たとえば、寒いことから暑いことを、小さいものからは大きいものを連想します。

C因果連想:テーマに対して原因と結果の関係のものを連想することです。
たとえば、暑いことから氷やビールを、夏を連想します。 
  3. チェックリスト法
強制連想法の一つで、事前に設定した項目に沿ってアイデアを生み出していく手法です。ここでは最も有名なオズボーンのチェックリスト法を紹介してみます。

@ほかに使い道はないか?(現在のままで、少し変えて)

A借りられないか?(これに似たものはないか、まねができないか)

B変えられないか?(形、色、運動、意味、におい・・・)

C大きくしたら?(付け加えたら、時間をかけたら、回数を増やしたら、長くしたら)

D小さくしたら?(省いたら、圧縮したら、低くしたら、軽くしたら)

E代用できないか?(ほかの型のものは、ほかの動力では、ほかの方法では)

F要素を入れ替えたら?(部品を変えたら、レイアウトを変えたら、順序を変えたら)

G逆にしたら?(上下を逆にしたら、反射したら、鏡に映したら、裏返しにしたら)

H組み合わせたら?(材料を組み合わせたら、ユニットを組み合わせたら、アイデア を組み合わせたら)
以上

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